N P O 便 り![]() ![]() * * 第 7号 * * 平成18(2006)年 6月発行 |
「有志を求む!!」
理事長 古 谷 貞 雄 当協会は、平成14年6月24日 広島県知事より認証を受け、丸4年の歳月が過ぎました。 これ偏に、会員・賛助会員の皆様のご協力とご支援のお陰と感謝いたしております。 尚、この度、平成17年度の総会も終え、第5期目をスタートいたしました。しかしながら四年半を振り返ってみますと、当初の事業計画に掲げた事業の内、演武会開催・本部師範招請特別講習会開催など、合氣道仲間への呼びかけは出来たものの、広く不特定多数の方に、「合氣道の理と技」を普及したいという本来の主目的に関しては、なかなか実働が伴わず、非定期の護身術講習会を実施しただけで、ほとんどが計画倒れとなっているのが現状です。 教育とスポーツは一流と言われていた「ひろしま」は、いつの間にか永く低迷を続けています。戦後の廃墟から、見事に復興を遂げた先輩達の燃え滾る情熱は、いま何処に行ったのでしょうか。もともと保守性の強い、「まぁいいか」的県民性によるものかもしれません。でもはたして、これでいいのでしょうか? NPO法人は、今後益々多様化し、実利を伴う組織へと変貌することは間違いないと、私は確信しています。いまがチャンスです。日常の思いを形に変えることが出来るのです。とはいうものの、当協会に出来ることは、武道教育の必要性と実践を手助けしていく役目でしょう。武道・合氣道を通じて、「護身・護心術」や「美と健康に役立つ合氣操体法」の普及を切り口に、これからの「ひろしま」、いや日本をリードする青少年育成に積極的に取組んでいきたいと思っています。 会員の皆さん! その必要性を再確認し、仲間に呼びかけ、仲間を増やし、社会を揺り動かしていく為に、共に有らん限りの智恵と力を出し合い、企画力・情熱・未来を良くしたいとの想いを抱いて推進・実践しようと思われる人財を、協会では熱烈に求めています。是非とも名乗り出てご協力下さいますよう、宜しくお願いします。 NPO法人ひろしま合氣道普及協会への思い 理 事 森戸 識照 NPO法人として設立された合氣道普及協会ですが、多くの人に合氣道の素晴らしさを普及し、そのことで社会に貢献できる団体として作られたものと考えております。 武道としての合氣道は広く一般の方には、なかなかとっつきにくいところもあろうかと思います。そこで合氣道を応用した“護身術”“呼吸法”“体操”や合氣道的哲学を通して“礼儀作法”“人格向上”など、多くの方にとっつきやすい部分から参加していただき、合氣道のエッセンスを知ってもらえる活動が出来ればよいと思います。 まだまだ十分な活動が出来ているとは思いませんが、出来るところから活動を拡げていきたいです。皆様の暖かいご支援と、活動方法のアイデアなどのご指導を、広く多くの方々に賜りたいと思っております。何卒よろしくお願いします。 「少年よ、大志を抱け」 理 事 正木 篤 「少年よ、大志を抱け」という言葉を、貴方は知っていますか。 「少年よ、大志を抱け」という言葉を聞いて、私が即座に思い浮かべるのは、札幌農学校(現在、北海道大学)で講師をしていたウイリアム・クラーク博士です。クラーク博士が、日本政府に招かれて来日したのは明治九年七月、契約期間は一年間、うち教鞭をとったのは、わずか八ヶ月間でした。だが、その短い歳月の中でクラーク博士は生徒たちに、計り知れない影響を残して去っていきました。 教える人と教わる人が、お互いに心を共鳴しあうとき、そこには畏敬と信頼が必要とされます。 それには、まず教師自身が自分自身を高め、夢を持ち、生徒を信頼し、その熱き思いを語り懸けていかなければなりません。 クラーク博士が、当時の生徒たちに残した「少年よ、大志を抱け」( Boys, be ambitious ! )という訓示。私は、幕末動乱期の吉田松陰先生の魂と重なり合う処を感じるのです。教育は環境によって決まるものではない。導く人と導かれる人との魂によって決まる。 「少年よ、大志を抱け」という言葉は、今は耳に聞くことも無く、現代では死語になってしまったような感をいだくのですが、時代は遡り私の少年時代、この言葉ほど幼い頃の私に感化・影響を与えたものは無いでしょう。憧れにも似た、雄々しい響きを、少年心に受け止めたものです。 人が向上心を持って何者かになろうとするとき、最も大切なことは「志を立てる」、すなわち「立志」であり、「大志を抱く」ことである。志を立てる、この大志、つまり「何者かになりたいという意志」これが根底にあれば、時を積み重ねることによって、それは信念となって昇華し、いかなる困難が待ち受けていようとも、それを乗り越える力を生み出し、その克服は喜びに変わる。 向上心の源泉、それは「少年よ、大志を抱け」のごとく、早き時期に「志を立てる」ことである。が、そのことを知ったからには、歳を重ねていようが幼かろうが、その胸中に抱きえるものは何かであります。 夢・憧れ・希望・大志・・・つまり「何者かになりたいという意志」を持つことができるか否かが、その後の日々の歩みに大きな影響を与えることには間違いのないことである。しかし現実は、ほとんどの人が無関心派であり、志の有無すら感じ得ない、もし知ったとしても知っただけで終わってしまう。 だから私は素晴らしいと思っている。動く人と動かない人の差・・・人として生を受けたからには、人として己に羞じない生き方、地位は低くとも心持は天に高く、人に卑しめられるとも天に愛せられるには、第一に己を磨くことしかありません。 学問の目的は、「修己治人」すなわち己を創り、世のため人のために尽くすことである。 察すれば何のために勉学に励むのか、誰の人生か、何のための人生か、自ずと答えを見出すことが叶うでありましょう。何に時間を費やし、誰と出会い、どんな志を持っているか、それで道は決まる。 合掌 平成18年度事業計画と平成17年度事業報告のお知らせ 常務理事 岡村 敏明 平成18年度の事業計画は、昨年とほぼ同じ内容であり、各事業の継続発展を推進していきます。 平成17年度の各事業は、総じて確実な歩みをしてきたと思います。予算につきましては、会員の皆様のご寄付や会費によって賄いました。紙上をお借りして御礼申し上げます。これからも、合氣道普及発展のため、皆様方のご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。 ○平成18年度事業計画 各詳細につきましては、具体的内容が決まった時点でご連絡さしあげます。 1.合氣会本部師範特別講習会 日時 10月28日(土)13時〜21時 29日(日) 9時〜17時 *時間の変更があります 場所 広島県立総合体育館 武道場 講師 (財)合氣会 安野 正敏 本部師範 2.合氣道実技講習会および昇級昇段審査会 日時 3月17日(土)15時〜20時 場所 広島県立総合体育館 武道場 3.第四回合氣道演武大会 日時・場所は検討中です。 4.護身術講習会 日時・場所は未定です。 ○平成17年度事業報告 @ 合氣道実技講座 合氣道の基本実技 毎週木曜日 警察道場 会員および希望する警察署員40日実施、約240名 A 合氣道普及推進指導員養成講座 合氣操体・護身法の指導方法 毎週火・金・土 ビバ道場 合氣道3級以上の会員約100名 B 特別講習会 合氣道の実技向上 7月9日〜10日 警察道場 会員および希望する合氣道経験者 延78名 C 合氣道実技講習会 合氣道の応用講習会 9月 3日(土)3月19日(日) 広島県立総合体育館武道場 会員および希望する合氣道経験者 延50名 D 護身術講習会 護身術教室 6月20日〜8月1日 勤労者センター 不特定多数の人 延90名 E 護身講座 1月16日(月) 阿品公民館 不特定多数の人 10名 F 合氣道演武大会 合氣道演武 10月23日(日) 広島県立総合体育館武道場 会員および一般参加者71名 《 編集後記 》 「なんば歩き」とは、どういう歩き方でしょうか? 右手右足、左手左足が同時に出るような動き、すなわち肩と腰が同時に動くことを「なんば」といいます。例えば、田植え作業、着物を着た時の歩き、盆踊りなどに見ることができます。着物を着て普段と同じ歩き方をすると,腰がねじれて腰紐がゆるみ着崩れを起こしますが、なんば歩きは腰をねじらないため、そういうことが起きません。 「なんば」の語源については、「骨筋の違うという意から、骨筋の違いをなおす医者が大阪の難波にいたのでそれからきたという説」、「南蛮人すなわち外国人の動作からきたのだという説」など諸説がありますが、はっきりとしていません。 日本での長い歴史の中で、自然に効率のよい動きになったと思われます。ほとんどの日本人は、明治時代以前までは、なんば歩き方をしていたと言われています。これが現代の歩行に変わったのは、明治時代以降に徴兵された鎮台兵のなんばの歩行様式が、整列行進や戦闘に向かなかったため、西洋式の動作に変えられていったと言われています。合氣道では、なんば歩きは根底になっている歩き方です。 (岡村 敏明) 江戸博図書館HP、「演劇百科大事典4」平凡社 参照 ○ 支援者・会員募集:支援して頂ける個人、企業、団体ならびに会員を募集しています。 |