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 * * 第  8号 * *
* 安野正敏師範特別講習会特集号 *
平成18(2006)年11月発行
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 安野師範講習会から得た夢
                                 NPO法人 ひろしま合氣道普及協会
                                             理事長 古 谷  貞 雄
 10月28・29日の二日間、(財)合氣会本部・安野正敏師範をお招きしての二回目の講習会は、広島県立体育館・武道場において、中国地方「十月暑さ革命」と銘を打たれるほどの記録的な残暑の中、開催されました。
 今回も、遠く京都、奈良、大阪、神戸、そして八幡浜、津山、益田からも駆けつけて下さり、述べ140名が参集しての盛大な講習会となりました。
 参加者の皆さんは、師範のエネルギッシュなご指導のもと、日頃の道場での稽古では味わえない他道場の稽古人との交流により、新鮮な興奮を得られたことでしょう。私自身30年前、一冊の本の表紙によって、合氣道への失いかけた情熱を再燃させられた。それは「正食」という、まだ珍しい健康専門雑誌であった。
 表紙に、山口清吾師範が第三教を極めておられるところ。そしてもう1枚、相手の頭髪が総毛立ちとなっての横面打ちを入り身にかわされている姿でした。中心が見事に確立されたスミキリ、「これぞ合氣道!」です。
 この度、安野師範を囲んでの昼食会の折、この話をしました。すると師範が、「えっ!その受け身を取っているのは、私ですよ」と言われ、改めてご縁の不思議に心打たれました。
 更にもう一つ、その雑誌の巻末に「優良食品販売店」が掲載されており、そこに何と!私のために道場を設営して下さった「(株)ビバ健康ハウス本部」の名があるではありませんか。
 合氣道を中心軸に、縁が縁を結び、縁が縁を産み、縁が縁を育てている。

安野師範語録
●上半身は柔軟に、肚は強靭に、足は軽快に。
●肚にまとめて、肚で動くことを大切に。
●一教をやる時には、入り身法を考え、呼吸法を考える。
  入り身をやる時には、呼吸法を考え、一教法を考える。
●相手の腕や手、体を払ってはいけない。捌くのです。
●入り身に入って、転換する。(入り身転換法)
●私は合氣道を指導しているつもりはありません。
    自分が一番、合氣道を楽しんでいると思います。 
      ・・・他にも数多くのことを、ご教示頂いた。
 一挙手一投足、一言一句が、魂に響くことばかりでした。皆さんは如何でしたでしょうか?
私にとっては、これらが実際に行なえるようになるには、また暫しの時を必要とすることでしょう。山口師範の指導がやっと分かりかけた時に、安野師範から新しい示唆を得ました。また合氣道の旅を続ける意欲が湧いてきました。皆さん、一緒に楽しみましょう!


安野師範講習会の参加感想             ビバ合氣道教室ひろしま会員 下迫 恵美

 私は合気道をはじめて半年で、講習会に参加させていただきました。受け身もろくにできない状態での参加となり、申し訳なく、皆さんには本当にいろいろと助けてもらいました。

 初めて師範クラスの方たちを一堂に会すことができ、圧倒され同時にワクワクしました。安野師範に教えていただいた内容の半分も、理解することができませんでしたが、これから合気道と関わり接していくことで、少しずつ理解できればと思います。それまで大事に大事に、鍵はかけず心の箱にしまっておきます。貴重な機会を与えていただいてありがとうございました。


“日々の稽古”                NPO法人ひろしま合氣道普及協会会員  八木 秀樹

 この度の安野師範は、師範の今の感じてる事、伝えたい事を惜しみなく全て出きった、思いの伝わる貴重な講習会であったと感謝しています。
 山口師範に30年余り師事して受継ぎ、自ら会得したものを、伝えておきたいと思われたのだろうか、山口先生とは違う表現方法ですが、言わんとされることは、植芝翁先生から山口先生、そして安野師範と流れてきたエッセンスであると確信してます。

 極意と言うものが有るとすれば、それは平素の稽古の中にあるのだろうと思えます。ただ人によって捉え方の違いがありすぎて、わかり難いのだと。たとえば、体の転換法の稽古在り方にしても、何のための体の転換法をやっているのか、かたちだけの稽古でしかなかったのでは無いか。つぎの動きに繋がる、変化の出来るもので有っただろうか、省みる必要が有るでしょう。

 また、触れ合いの瞬間の入身が、相手の全体を捉え、(小手先の)手投げでなく全身を生かして当たるためには、腹にまとめ(そのためには)手足が楽で有ることの重要性を色々な技を通じて、何度も繰り返し教えて頂いたり、その他、基本と応用の有り様、呼吸(心と体を結ぶもの)についてなど、盛りだくさんでした。
 しかし、道元禅師の正法眼蔵弁道話に
 「この法は、人々(にんにん)の分上にゆたかにそなわりといへども、いまだ修せざるにはあらわれず、証せざるにはうることなし」とあるように、理屈ではなく稽古して体で悟るしか有り得ないのでしょう。
また、求めんとして日頃の稽古してないと、誰の言葉か「偶然は用意の出来ている人間しか助けない・・・」と成るのでしょう。この度の講習会において、また新たな課題を沢山に頂き当分楽しめます。


「安野師範特別講習会の感想」       NPO法人ひろしま合氣道普及協会会員 山内 良直

 満足した2日間でした。安野師範のご指導は、適切かつ要領よく、「なるほど」との思いは、随所にありましたが、初心者の自分には高度な技の感でした。
 素早い身のこなしで、技を決められた後の姿勢(残心?)はすばらしく、いずれの方向からの攻防にも対応できると見受けしました。
 皆さんとの稽古を横目で追いながらの手捌き足捌きのため、やや遅れ気味となり、迷惑をかけてはと冷や汗ものでしたが、何かひとつ習得したいとの思いもあってか、時間が短く感じられました。得難い経験をした2日間でした。

 師範は、道場の外ではごく普通の方(失礼)ですが、袴を着けた道場では一段と大きく、威圧すら感じました。一芸に秀でた方は「大きく見える」と言いますが、まさにそれでした。
 今回の合同稽古に参加できたことは、僥倖でした。ありがとうございました。


安野師範特別講習会を終えて         NPO法人ひろしま合氣道普及協会 理事 光田 重三

 前回の講習会同様、多数の参加者が集い、事故もなく講習会が終わりとてもよかったと思います。
実行委員の皆さまありがとうございました。
 講習会の内容、特に技については、ほとんど覚えておりませんが、前回の講習会の時も、今回の講習会でも基本はいつも同じで、「身体の中心をしっかり・腰を強靭に・足は軽快に・上体、肩は柔軟に」。肩の力を抜くと言われなかった。むしろ、手とか腕とかを忘れるくらいの気持ちで対処する。それと前に投げる技の稽古中でも、気持ちでは後ろにも横にも投げられる気持ちを持って
対処しなければいけないと言われた。

 懇親会の時は、安野師範と席も離れていて話を聞くこともできなかったが、近くの人と楽しい時間を過ごさせていただきました。特に、興味を持ったのは昼食会の時、自己紹介と安野師範に質問ということで、大阪の師範が短刀等に対する時はどのように対処しますか、と質問すると、安野師範は自分が短刀を持って相手に向っていくことを想定すると答えられた。

 それともう一件、ビバ道場の人と話しながらエレベーターに乗った時、安野師範と同じエレベーターになり、小さい声で話していたのを聞かれた。その話とは、津山で開催された遠藤師範の特別講習会で、年配の女性と稽古した時、とても技がやわらかくて勉強になったと言っていたら、安野師範は、その人は神戸の中尾さんでしょうと言われた。なぜ分かったかわかりませんが、とにかく、やわらかな技が私は好きです。

 年齢と共に身体は硬くなりますが、いろいろな人と稽古して気分だけは若くありたいと思います。これからも皆さまよろしくお願いします。


二日間を駆け抜けた、爽やかな熱い風   NPO法人ひろしま合氣道普及協会 理事 山岡 優子
      
 本部師範をお招きしての特別講習会も今年で3回目を迎えました。
今回も各地から多数ご参加があり、広い会場も狭く感じられるほどの盛況でした。

 安野師範の精力的なご指導の下、熱気あふれる二日間でしたが、3回目ともなると、「やあ、お久し振り!」と、”常連さん達”の間で和やかな挨拶が交わされるなど、皆さん、真剣な中にも心から稽古を楽しんでおられる様子でした。

 私が特に感銘を受けたのは、的確な技術面のアドバイスもさることながら、合氣道を行なう上での心の持ち方を師範が熱く説かれたことです。「自分の、身体の細胞の一つ一つを・・・」という表現を用いられたこともありましたが、それはつまり自己を全て開放し、己の誠意を相手に伝える、ということ。
 肉体で表現すれば、それが即ち何処にもリキミのない、力の滞らない状態である、ということ。そう私は解釈しました。心と身体が一致した、肚の据わった、正に究極のコミュニケーション。
 言葉を変えれば、合氣道の技の一つ一つが、その時の、自分の有りようを問いかけるものであるということでしょう。古谷師範が常々仰っている、「合氣道は人間学である」という言葉の意味を改めて噛み締めた二日間でもありました。

それにしても、昼食会の席で、「合氣道は私の人生そのものです。」と、スパッと言い切られた安野先生。
カッコよかったなあ。


安野師範特別講習会に参加して      NPO法人ひろしま合氣道普及協会 理事 森戸 識照

 二日間にわたり安野師範の講習会お疲れ様でした。
 まず、感じたことは安野師範の人気により多くの方々が集まり、活気あふれる講習会ができた事です。京都、津山、愛媛、神戸など、遠方の道場からも参加があったのは、当協会の広告によるものではなく、安野師範のご人徳によるものだということは間違いないと思います。安野師範の講習会は今回2回目になりますが、気さくで親しみやすいお人柄も人気の大きな要因だと感じました。

 稽古の内容は“入り身、呼吸法、一教法”というテーマが掲げられました。“楔(くさび)を打ち込む”ようにまっすぐ相手に向かって入り身に入っていく体捌きなど、今まであまりした事の無い動きに戸惑う事もありましたが、非常に新鮮で勉強になりました。

 また、他道場の方々と稽古をすることで、皆様それぞれの捌き方があり学ぶべき事がたくさんありました。もちろん古谷師範の合氣道が自分のベースになりますが、いろんな種類の方と稽古する事で自分なりの合氣道の幅を拡げていきたいと思いました。
 二日間の稽古を終え、身体のいたるところが筋肉痛になりました。日頃の稽古不足を感じております。


合氣道・安野師範講習会感想          NPO法人ひろしま合氣道普及協会 理事 正木 篤

 安野正敏師範講習会に参加して、私の中に刻み込まれた強烈な一つの印象があります。
 結論から言えば、声の響きに人物を見た。ということです。講習会場で、正座し待つ私の耳に聞く、安野師範の一声…堂々とした、非常にさわやかで凛とした声の響きでした。
 なにかしら体の奥深いところから出てきているような、なにか覚悟が出来ているような人物ではないだろうかと思ったのです。「この師範、人としては本物だな」、そんな勝手な思いを抱かしてもらいました。そのような受けとめ方から入った講習会でしたから、私にとっては非常に前向きに取り組んだ記憶に残る稽古でありました。

 「足元は軽快に、丹田はしっかりと確立し、上半身は緩やかに…」
 この言葉も、しっかりと頭の中に組み込み、今では日常の生活の、一部のように、武道しかり、人として生きていく姿勢のうえでの人生の極意の一つではないだろうか、との思いを強く持ち、歩く時も常に意識し、いつの日か吾が体の一部とならん日を期し、時には朗誦し吟じながら歩く自分の姿に、思わず口元緩む思いをする。善き出会いの講習会であったと感謝している。これも出会い。本当の出会いは人を変える。本当だな、変わるべきときに、出会うべき、出会いの出来事であった。これ天の采配なるか…そう思わずにはいられない。
 そのように考えると、感謝の二文字以外の言葉が見当たらない。

 最後に、今回の講習会を企画・運営・進行に尽力されました、古谷貞雄師範、大会事務局責任者である岡村敏明氏ならびにスタッフの皆さまには、心より敬意を表します。本当にご苦労様でした。ありがとうございました。

心に響いた「残心」の意味        NPO法人ひろしま合氣道普及協会 専務理事 安光 幸男

 10月28日、29日、本部安野師範特別講習会が開催された。岡村理事はじめ、開催に尽力されたメンバーに、先ずは「成功裡に開催でき、ご苦労様」と感謝の意を表します。
  僕自身のことを言うと、一昨年、安野師範の「受け」を取れるようになっておこうと思ったのとは裏腹に、健康上の問題で「受け」を取れなかったのが残念である。しかし、師範の発せられる言葉は、僕なりに聞きいっていたと思う。
 一昨年も今回も「足は軽快に、腰は強靭に、肩は柔軟に」と言われた。
 僕なりに解釈し、合氣道のみならず実生活に活かそうと標記の言葉は、「フットワーク良く、肝を据えて、頭は柔軟に使え」と置き換えている。実行できているかどうかは、兎も角として。
 
 今回、強烈に響いた言葉は、「残心」。何気なく発せられたのか、僕の聞き違いかは判らないが、武道的意味と同時に「その日、その日に仕舞をつけることですね」。
 還暦を迎えようとしている僕にとっては、実に含蓄のある響きだったことか。
 語彙力も表現力も不足ですが、僕にとっての「合氣道」は、その人の体力・気力に合わせて技を稽古するのは当然としても、実生活に活かしてゆきたいと考えています。


安野正敏師範合氣道講習会の御礼          安野師範講習会事務局 責任者 岡村 敏明

 NPO法人ひろしま合氣道普及協会主催、福山合氣会協賛による(財)合気会の安野正敏師範による合氣道講習会が、10月28日(土)〜29日(日)の2日間にわたり、広島市の広島県立総合体育館・武道場で開催され、皆さまのご協力によりまして、トラブルもなく無事に閉会致しました。
 2日間の参加者は、中学生から大人まで140名余り。京都、大阪、四国など県外からの参加者もあり、年毎に盛況になっています。また、当NPO法人ひろしま合氣道普及協会の顧問をされておられる広島県議会議員の石橋良三先生が、お忙しい中、参加下さいました。
 私は事務局を担当しましたが、頭の半分は講習会に、残りの半分は事務局の仕事にと大変でしたが、無事に閉幕したことでその疲れも飛んでいきました。
 そうした中、安野師範の言葉で唯一こころに残っているのが、「足は軽快に、腹は強健に、肩は柔軟に」の言葉です。二年前にも、基本の大切さを同様に説明されたこの言葉を思い出し、かみしめました。
相手の動きに応じた前後左右の捌き、基本技から応用技への展開など、まさに合氣の心技であり、大いに得るところがありました。私は、これらを合氣道だけに留めおくのではなく、人生の歩みの中に活かしていきたいと思っています。

 最後に、講習会に参加の皆さまならびにスタッフの皆さま、また仲介の労をとって頂いた八木秀樹さん、大変ありがとうございました。紙上をお借りしまして御礼申し上げます。

《 お知らせ 》
 1.広島中央警察署道場について
   広島中央警察署の稽古は、平成18年12月21日(木)〜平成19年2月22日(木)の間休みます。
   なお、稽古は3月1日から開始します。

2.平成18年度事業計画予定
  (1)演武会リハーサルおよび昇級昇段審査会 平成19年3月17日(土)15時〜20時
  (2)第四回合氣道演武大会         平成19年3月18日(日)10時〜17時
    *場所は、いずれも広島県立体育館・武道場です。

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